中国新聞


教職員不祥事で懲戒処分指針見直し
広島県教委 校内研修を充実へ


 相次ぐ教職員の不祥事を受けて広島県教委は、二〇〇五年四月に策定した懲戒処分の指針を見直す。体罰防止など各学校で活用してもらう研修資料も配布し、校内研修の充実で不祥事の防止を図る。東広島市で二十四日開いた県都市教育長会で説明した。

 県教委は本年度、わいせつ行為や酒気帯び運転などで公立小中学校や県立学校の教職員二十五人を懲戒処分した。前年同期より二人多く、処分が常態化している実態を重視。指針の見直しや校内研修の充実で教職員の自覚を促す。

 新たな指針では、飲酒運転と知りながら同乗したり、酒を勧めたりした教職員の処分の明文化などを検討する。年内の早い段階で見直す方針という。

 現行の指針は、教職員が飲酒運転をした場合は免職か停職、飲酒死亡事故の場合は免職などと定める。独自基準を設けていない県知事部局も、同乗した場合の処分などを厳罰化を含めて検討している。

 研修資料は、本年度すでに五人が懲戒処分されている体罰の防止を目的に作成した。防止策として、教職員の指導力の向上▽組織的な指導▽適法で毅然(きぜん)とした指導―の三項目を盛り込んだ。県内や全国の事例を調べてまとめた事例集も作成し、研修の充実に役立ててもらう。

 県教委はさらに、体罰やセクハラをした教員への学校長による個別の指導や、服務規律の確保に向けた校内研修の充実なども呼び掛ける。教職員課は「一連の対策で不祥事の防止に努めたい」としている。(村田拓也)

(2006.10.25)


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