笠岡市教委 教職員マニュアル作成 一人遅れて教室へ/やる気ない言動/ふざけた質問
いじめを苦に子どもが自殺するなど各地で痛ましい事件が相次ぐ中、笠岡市教委は教職員向けの対応マニュアルを作った。早期発見、早期解決を通じ、いじめを受けている子を守る姿勢を明確に打ち出すよう求めている。市内の小中学校二十八校の教職員約四百五十人に配った。(杉本喜信) A4判、八ページ。冒頭で「いじめはいつでもどこでも起こりうる」との認識を持つよう強調。発見のための参考例のほか解決への取り組み、家庭や地域との連携策などを紹介している。 いじめられている子どものサインとして、一人遅れて教室に入る▽やる気を失った言動が増える▽授業中ふざけた質問をする(無理やりさせられた可能性がある)―など五十二例を列挙し、いじめた側、被害側双方への対応を求めた。 いじめに気づいた場合は、子どもを守り通す姿勢を示す▽仲直りの握手で解決したなどと安易に考えず注意を継続する▽緊急避難として欠席を認める―などのほか、いじめた側の出席停止など厳しい対処も例示した。 保護者との連携では、食欲の減退▽ため息が増える▽登校を渋る―など二十項目の家庭での観察リストを載せ、発見に役立てるよう促している。 市教委は、八月に愛媛県今治市で中学一年の男子生徒がいじめを苦に自殺した直後に対応を検討。鹿児島県教委の手引書などを参考に、二カ月かけて独自に作成した。 笠岡市の昨年度のいじめ件数は中学が四件(前年比十一件減)、小学校がゼロ(同四件減)だった。市教委学校教育課は「いじめをなくすことは教職員の大切な役割と再徹底したい」としている。 (2006.10.25)
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