備後の4通園施設 市町間格差解消へ 広島県東部の障害児通園施設で、独自の給食費補助策を打ち出す動きが広がっている。一日からの障害者自立支援法の本格施行後、福山、尾道市内の四施設が踏み切った。住む市町で異なる公費補助の格差解消と保護者の負担軽減が目的だ。「運営は厳しくなるが、施設内格差は放置できない」。支援法のしわ寄せは、施設側にも及ぶ。 園児に対する独自の給食費補助策を設けたのは、草笛学園(福山市)、ひかり園(同)、あづみ園(尾道市)の知的障害児通園三施設と、難聴児通園施設の「ゼノ」こばと園(福山市)。各施設とも就学前の乳幼児を対象に、障害に応じた発育支援をしている。 四施設は、福山、尾道市の公費補助制度の枠から外れた子どもに対して給食費の一部を補助。一食当たり六百五十円(国のモデル)の給食費のうち二百五十〜四百二十円を限度に支給する。これにより同一施設の保護者が負担する給食費は、ほぼ均等になるという。 障害児通園施設の給食費をめぐって県東部では福山、尾道市が、障害者自立支援法の本格施行で通園費が原則一割負担となった今月から公費補助を開始。所得制限を設けたうえで、特別児童扶養手当を受給していない子どもを対象に、一食当たり四百二十円を限度に施設に支給している。 各施設にはしかし、福山、尾道市以外からも子どもが通う。さらに両市に住んでいても公費補助の対象外となる乳幼児もいる。四施設は「公平性の確保と負担の軽減の観点から、施設運営費から給食費補助を捻出(ねんしゅつ)することにした」としている。 「ゼノ」こばと園の塩出順子園長は「住所などで格差が出るのは望ましくない。本来は国に制度を改善してほしい」と求めている。(野崎建一郎)
(2006.10.25)
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