広島市教委、年内に作成 ■チェック項目増やし察知 教職員がチームを編成 いじめを苦に北海道や福岡県の児童、生徒の自殺が相次ぐ中、広島市教委が新たな対応マニュアルづくりを進めていることが十七日分かった。市内では昨年度、小学生のいじめが増える兆しを見せ始め、教職員がチームを組んで子どもたちに対処するなどの具体策を盛り込む。十二月中にまとめ、すべての教職員に配る方針で、いじめ対策を強化する。 作成しているのは「いじめ問題に対する指導資料」。過去のいじめの事例などを参考にしながら、これまでの対応や指導を再点検し、教育現場での指針にする。 市教委指導二課によると、いじめの兆候を見逃さないため、児童、生徒が出すサインをいち早く察知できるようにチェックリストを改善。担任一人に問題を抱え込ませないよう、学年主任や生徒指導主事、クラブの顧問など三人程度のチームを編成して対応する。 現行のチェックリストは「友人関係」「学習活動」などに四分類され、「仲良しのグループから急に離れる」「プロレスごっこでいつも技をかけられる」「机の落書きがある」―など計二十八項目。しかし、インターネットの掲示板に特定個人を中傷する書き込みが繰り返されるなどいじめの形態も多様化し、現状に合わせて項目を増やす。 市教委指導二課の山田重則生徒指導担当課長は「北海道のケースなども踏まえ、これまで十分でなかった部分を強化していきたい。不登校の問題も含めて対応していく必要がある」としている。 文部科学省は十九日、いじめ問題に対応するため、都道府県と政令指定都市の教委の責任者を集めて緊急連絡会議を開く。市教委は、会議の内容も踏まえてマニュアルを作成する。教職員を対象にした研修会も開き、対策を強化する。(鴻池尚)
(2006.10.18)
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