周南市、08年からネットで運用へ 中古バンクを設立、周辺部過疎化も防止 周南市は、若い子育て世帯などを対象に郊外の空き家を紹介する居住支援を始める。庭付きの広い戸建てが比較的安い家賃で借りられる魅力をアピール。自然豊かな環境での子育てを呼び掛けて移住を勧め、周辺部の過疎化を防ぐ狙いもある。(井上龍太郎) 支援では、中古の空き家情報を提供する周南優良中古住宅登録バンク(仮称)を設立。鹿野、熊毛地区など郊外の物件を複数の不動産業者から集めて、インターネットなどで検索できるようにする。二〇〇八年からの運用をめざす。 同時に、バンクでは郊外から市街地への移住を希望するお年寄りを対象に、JR徳山駅周辺を中心とした中心部の物件も紹介する。 支援事業は、本年度から十年間の住宅施策の方針を示したマスタープランに盛り込んだ。県内では山口、萩の両市が市街地の物件を紹介しているが、郊外への居住支援は初めてという。 今回の支援策は、住環境の評価を地域、世代別に分けた市民三千五百人へのアンケートや国勢調査などを参考にまとめた。医療・保健施設の利便性では、中心市街地に比べて郊外の評価は低かった。一方、自然環境では、郊外が中心市街地の倍の満足度を示した。 さらに、市はワークショップで市民から意見を募った。市住宅政策課は「のびのびと子育てができる郊外への転居を希望するのは、二十歳代から三十歳代に多いのが分かった。市内全域を活性化させるきっかけにしたい」とする。 本年度は事業費として三十五万円を計上。物件や需要の調査を進め、学識経験者らによる検討委員会を来年度にも発足させ、目標の戸数や適した地区など具体化を急ぐ。 (2006.8.19)
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