中国新聞


成長に合わせて抱き方いろいろ
スリング 使いこなそう


 幅広い布で赤ちゃんを包む抱っこひも「スリング」を利用する人が増えている。子どもの発達に応じた抱き方ができる上、多彩な色やデザインも人気の理由だ。ただ間違った使い方は股(こ)関節を痛めたり、事故にもつながるという。スリングの使いこなし方を聞いた。(平井敦子)

 福山市伊勢丘の市東部市民センターで月一回開いている「福山ベビースリング交流会」には毎回十数組の親子が訪れる。首が据わるまでの横抱き、腰が据わってからの寄り添い抱き…。子どもの成長に合った抱き方を学び合う。

 常連の主婦佐藤美佐子さん(36)は二人目の天ちゃん(1)が生まれてから使い始めた。「両手が空かないと子ども二人の面倒はみられない。買い物に行くときの必須アイテム」。小さく畳めて持ち運びやすく、広げればおむつ替え用のマットにも使えるなど用途の広さも気に入っている。

 長さ約二メートル、幅一メートル前後の布を体に巻き付け、樹脂や金属製のリングなどで固定して使う。ただ、布の引っ張り加減や抱く位置など体形に応じた調整が必要だ。交流会を主宰する主婦岡山加代子さん(38)は「正しく使えば楽に抱っこできる。赤ちゃんも一体感があって安心する。市販のものもいろいろあるし、ホームページなどを参考に季節用などを手作りしてはいかが」と勧めている。

▽ゆるすぎないように

 スリングの使い方を指導している助産師西田啓子さん=福山市神辺町=の話

 赤ちゃんを横抱きやカンガルー抱きにするときは、あぐらをかかせてスリングに入れてください。足を伸ばしたままでは、股関節脱臼の恐れもあります。寄り添い抱きの場合はスリングがひざの裏側までしっかりはまるように。ひざが九〇度に曲がって足が下がると安定します。

 スリングに入れた子どもの位置は、抱っこした人のおへそか、おへそから下三センチに。抱っこした人の姿勢をまっすぐにして手が離せるほどのきつさにスリングを調節してください。ゆるすぎると不安定です。

横抱き
(0カ月から首が据わるまで)


カンガルー抱き
(首が据わってから)

赤ちゃんの顔を胸に向けると縦抱き
寄り添い抱き
(腰が据わってから)


布がひざの裏まで届いていない。子どもが抜け落ちる可能性も
腰いす抱き
寄り添い抱きを横にずらし、子どもを腰に乗せるように

子どもの足が伸びている。腰に負担がかかり、姿勢が悪くなりかねない

(2006.8.7)


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