光市、市外から利用目立つ 産み、育てやすいイメージ…
光市で、小児科の開業が相次いでいる。この二年間で三カ所増え計六病院・医院。計七人の小児科医師が診療する。県外から利用が目立つなど光市内の病院での出生数は多く、「子どもを産み、育てやすいとのイメージが、小児科医も引き寄せているのではないか」との声が上がる。(持田謙二) 光市浅江で今月一日、みちがみ医院が移転開業した。従来の産婦人科に加え、小児科を新設した。出産後も継続して診察を望む母親が多かったためという。 敷地約七千七百平方メートルに、四階建て延べ約三千五百平方メートルの医院が立つ。子育て世代の来院に備えて保育士三人が待機する託児所や育児相談、呼吸法教室などを開く。広島市内の公立病院長を務めた医師が、Uターンして勤務する。 施設も、地域にも無料開放する大小二カ所の多目的ホール、入院患者向けエステルームなどがある。総事業費約十三億五千万円。 光市内では二〇〇四年秋、やまて小児科・アレルギー科、〇六年五月には松島こどもクリニックが開院した。 年間の出生数は市内在住者は四百五十人前後。しかし、光市虹ケ浜の梅田病院とみちがみ医院を合わせて約千九百人で、三分の二が市外からの母親だ。 梅田病院は、ユニセフ(国連児童基金)と世界保健機関(WHO)の「赤ちゃんにやさしい病院」に県内で初めて選ばれた。出産後の訪問看護をするなど充実したケアが人気を呼んでいる、という。広島県内からも山陽自動車道などを使って来院する母親も多い。 一方、光市議会は一九九五年に「おっぱい都市宣言」を決議。大和町との合併後は〇五年にあらためて決議し、市民ぐるみで子育て支援をする機運を盛り上げている。 光市医師会の河村康明会長は「子どもの病気だけでなく、親を含めた心を支える取り組みも充実させたい」と意気込んでいる。 (2006.7.29)
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