中国新聞


生活習慣 9割心がけ
島根県教委子育てアンケート


 6割「しつけに不安」

 島根県教育委員会は、中学生までの子どもを持つ保護者を対象とした子育てアンケートの結果をまとめた。朝食やあいさつなど基本的生活習慣は九割以上が心がけ、熱意がうかがえる一方、六割近くがしつけへの自信のなさを訴えた。一生懸命とは裏腹に戸惑いも抱える姿が浮かび上がっている。

 昨年九月、幼稚園、保育所の年少から中学生までの三千二百七十四世帯に依頼し、二千百七十三世帯から回答があった。

 子どもの朝食については、毎朝食べる85%▽ほとんど毎朝食べる11%―など。食卓の共有や家庭でのあいさつは、「いつも心がけている」「だいたい心がけている」の合計がそれぞれ98%、97%に上った。

 一方、しつけや子育ての自信では、全くない4%▽あまりない53%―で、「ない」世帯が半数超に。理由としては、感情に左右されムラがある―とするものが最も多く、幼稚園では51%を占めた。中学生では「成長とともに子どもの気持ちがつかみにくくなっている」が最多で29%だった。

 全国的に言われる家庭の教育力低下への懸念も明らかになった。「全くそう思う」「ある程度そう思う」が65%。理由としては、過保護・過干渉▽しつけをしない▽自信を持てない―など何らかの形でしつけに問題を抱える保護者の増加を指摘する声が四割を超えた。

 「子どもを殴りたい衝動に駆られたことがある」親は55%と半数を超え、子育ての強いストレスを表している。

 アンケートは県民の子育てに関するニーズを探ろうと初めて実施した。県教委は、核家族化や社会コミュニケーションの希薄化を受けた「子育ての孤立化がうかがえる」とし、子どもの居場所づくりや健康診断を通じた、親の悩み相談や啓発に力を入れる。(和田木健史)

(2006.7.18)


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