05年人口動態 戦後初の自然減 二〇〇五年の広島県内の出生数が、戦後初めて死者数を下回り、人口が自然減に転じたと二十九日、県が明らかにした。減少は八百四十二人。合計特殊出生率が一・三〇と過去最低になるなど出生数が減り、高齢化で死者数が増えた。岡山県も戦後初の減少に転換し、中国地方五県はすべて人口が自然減となった。
厚生労働省がまとめた人口動態統計(概数)のデータから、広島県が市町別などに整理した。県内で〇五年に死亡したのは二万五千五百八十二人で、〇四年比4・7%の増加。出生は二万四千七百四十人で3・9%減った。自然減は太平洋戦争が終わった一九四五年以来、六十一年ぶり。 市町別では、〇五年末の二十六市町のうち、自然増は広島、福山、廿日市、東広島の四市と府中、海田の二町。神辺町が横ばいで、残る十九市町は減少した。最も減ったのは呉市で千百四十五人減。自然減は中山間地域に多く、広島市も中区と安佐北区で減った。 県福祉保健総務室は「出生数を増やす決め手はないが、子育てなどの各種施策を粘り強く進めたい」としている。 中国地方の他県では、岡山が千七百五十三人減と、広島と同じく六十一年ぶりの減少。山口は五千九人減で十一年続けて減り、島根は二千八百五十九人減と十四年連続の減。鳥取は千二百九十一人減と七年続いてマイナスだった。(村田拓也)
(2006.6.30)
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