中国新聞


安来市立病院 産婦人科休診へ
唯一の常勤医が辞職


 安来市広瀬町の安来市立病院(永松力院長、二百十七床)が今月二十四日以降、産婦人科を休診することが、十九日分かった。一人しかいない常勤の産婦人科医師が今月末で辞職するため。同病院は後任を探して早期に再開する意向だが、非常勤医しか確保できない場合、院内での出産の対応を断念する可能性もある。

 同病院などによると、この常勤医は、隠岐病院(隠岐の島町)の産婦人科医不在問題をめぐって一時、赴任の意向を示して辞表を提出。現地での出産などのバックアップ体制の不安を理由に赴任を保留したが、結局、辞職することが決まったという。

 島根大医学部(出雲市)からの後任の派遣は医師不足のため難しく、安来市立病院は、鳥取大医学部付属病院(米子市)や総合病院などに医師派遣を働き掛け、赴任に向けて詰めの交渉をしているという。

 安来市立病院では、二〇〇三〜〇五年度の三年間で出産件数は年度平均三十一件、外来千八百五十一人。松江市内の病院や鳥取大医学部付属病院での出産を選ぶ妊婦も多く、市内には産婦人科の開業医もいる。

 安来市立病院総務課は「常勤医の確保は医師不足の現状では困難。非常勤医しか確保できなければ出産は断念することになるが、なるべく早く産婦人科を再開したい」としている。(城戸収)

(2006.6.20)


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