県立広島病院と中小クリニック 今夏計画 健診・データ共有
拠点病院と地域の産婦人科が登録制のネットワークをつくって連携する「産科オープンシステム」のモデル事業を、広島県が今夏から、県立広島病院(県病院)=広島市南区=を核に始める。妊婦健診だけのクリニックが増える中、出産を扱う拠点病院との間で妊婦の健康状態のデータを共有し、安全なお産を実現する狙い。(馬場洋太) 計画では、広島市や周辺町の産婦人科クリニックや中小病院など七施設が登録。健診に訪れた妊婦が県病院での出産を希望すれば、毎月の健診データを県病院に知らせ、出産時や急患で来院した場合などに役立てる。妊娠初期には県病院でも健診を受けてもらい、出産時に危険を及ぼす持病の有無などを調べておく。 最初に県病院を訪れた妊婦で危険度が低い人には、希望に応じて自宅に近い登録医療機関で健診が受けられるよう紹介する。県病院の外来に妊婦が集中するのを避けられ、妊婦も通院の距離が短くなる利点がある。 八月までに始める計画で、来年度までの二年間、データ共有の方法や危険度の判定基準などを探る。県医療対策室は「軌道に乗れば県内の他地域にも広げたい」としている。 同事業は国の主導で昨年度、東京、宮城、岡山の三都県で開始。岡山では岡山大医学部・歯学部付属病院と市内のクリニックなど九施設が連携している。 (2006.6.9)
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