三原で17日 NPO法人フォーラム ■大切な周囲の対応 広島県内に住む注意欠陥・多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)など発達障害のある子どもや家族、専門家らでつくる三原市の特定非営利活動法人(NPO法人)ナチュラルビレッジ(大和さよ理事長、六十五人)が十七日、同市の三原リージョンプラザで五周年記念のフォーラム「発達障害を考えよう」を開く。(梨本嘉也) 「二次」もテーマ
基調講演のテーマは、周囲の理解や対応が不十分なことが原因で自信をなくし、情緒や行動面に問題が生じる「二次障害」。広島少年院首席専門官の向井義さんが原因や克服法について話す。 分科会は(1)思春期を考える(2)特別支援教育の現状と課題(3)小学校入学までの子育ての基本(4)家庭の役割―の四テーマ。講師は発達障害児に対応する塾の代表や、療育の専門家、福山市内の小中学校で個別の支援計画を実践する教諭ら七人。 発達障害者は「聞く、話す、計算するなど特定の能力の習得が難しい」「注意や集中ができない」といった問題を抱える。見た目では判断しにくく、教師や同級生から疎まれて学校になじめず不登校になったり、非行に走ったりするケースも少なくないという。 体制づくり図る 文部科学省は二〇〇二年、全国の小中学校三百七十校で調査を実施。6・3%に発達障害の可能性があるという結果が出た。国は昨年四月、乳幼児検診などでの早期発見や学校教育から就労までの支援を行政の責務とした「発達障害者支援法」を施行。個人の特性に応じた教育に向け体制づくりに踏み出した。 中国五県にも相談や就労支援、普及啓発などにあたる支援センターが発足。各小中学校では、支援体制の中核を担う教員(特別支援教育コーディネーター)の指名や研修などに力を入れる。 5年前に会発足 会は五年前に発足。三原市の県立広島大三原キャンパスなどの研究者や学生ボランティアのサポートを得て活動してきた。設立時は小学生だった子どもも思春期を迎え、接し方に戸惑うメンバーも。教師や保護者から寄せられた二次障害の対処法への質問と合わせてフォーラムのテーマに組み込んだ。 アスペルガー症候群と自閉症の二児を育てる大和理事長(44)によると、障害への理解はまだ低く「言うことを聞かない」と障害に気付かず虐待したり、周囲から「育て方が悪い」と言われて悩む保護者も多い。「関心の高いテーマを選んだ。たくさんの人に参加してほしい」と訴える。 定員四百人(先着順)。二、四分科会は満員。参加費二千円(当日二千五百円)。同法人Tel0848(64)7803、ファクス0848(76)1150。 (2006.6.3)
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