悩み打ち明けたい子ども 福山の相談電話で報告集 子どもの悩みなどを聞く相談電話「チャイルドラインびんご」を開く、福山市の市民団体「子どもサポネット・ハートフル」(小林万里子代表)が報告集を発行した。電話開設から一年間で寄せられた相談は、六百件近くに上った。その内容をまとめた報告集からは、悩みを打ち明ける相手を欲する子どもたちの姿が浮かび上がる。(赤江裕紀)
二〇〇四年十月の定期開設から一年間で、五百八十五件の相談を受けた。報告集では、それを世代や性別ごとに八パターンで分析した。世代別の相談内容は、小学生が「雑談」、中学生は友人らとの「不和」、高校生は「いじめ」「雑談」「進路」が目立った。 「学校がいや。殴られたり、物を隠されたり」「お父さんもお母さんも、忙しくて遊んでくれない」「もうすぐ受験。面接が心配」―。受話器の向こうから届く子どもたちの訴えに対し、相談を受けるボランティアは聞き役に徹する。 男女別では、男子は「性」の悩みが目立ち、女子は「いじめ」「不和」の訴えが多い。電話の終わりに、「こんなに一生懸命聞いてもらえてうれしい」と素直に喜びや感謝の気持ちを伝える子も少なくないという。 アンケートや座談会方式で、ボランティアの思いも紹介している。「(今の子どもたちには)何でも話せる大人や友達が少ないのかなと感じた」「電話の前では子どもは素直になれる」など、率直な感想を寄せている。 小林代表は「これまで聞いた声を地域に還元し、子どもたちとの向き合い方を一緒に考えていきたい」と話している。報告集は備後地域の小・中学校や公共施設に無料配布したほか、一冊五百円で販売もしている。連絡先はTel090(8712)1803。 (2006.6.1)
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