広島市10万人構想 78校で連絡協開催 広島市が進めている「子どもの見守り活動十万人構想」の参加者が約五万九千人に上り、児童・生徒の安全確保への取り組みが着実に進んでいることが、三十一日開かれた市子どもの安全対策推進本部の会議に報告された。市は目標達成に向けて、学校や区役所を通じて一層の協力を呼び掛けていく。 見守り活動の参加者は、ガードボランティアの一万八千人に、地域団体などの七千人を加えた計二万五千人程度(目標三万人)がベースになっている。ガードボランティアは百四十ある全市立小に拡大、昨年末の約八千人から二倍以上に増えた。市は、犯罪抑止効果も狙った、そろいのジャンパーと写真入り身分証明書の配布を九月までに始める。 さらに、散歩や通勤、買い物など日常生活の中で無理なく「参加」する人も増えた。市職員八千人や民間企業・団体などの一万三千人、地域団体などの三千人の協力者を合わせて約三万四千人(目標七万人)を数える。 百四十の市立小の取り組みも進んでいる。保護者や地域団体などとの情報交換、調整・協議の場となる連絡協議会が五月末までに七十八校で開催され、残る六十二校も順次予定している。 安芸区の矢野小など十五小学校は、人通りや民家が少ないなどとして通学路を変更・新設。安佐南区の伴小など五小・中学校では、路線バスの増便や運行時刻変更など計七件の改善が実現した。 会議では、文部科学省委嘱の「地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業」の本年度のモデル地区に、昨年十一月に小一女児殺害事件が起きた安芸区の矢野中学校区(四小中学校、一幼稚園)を指定したという説明もあった。(宮崎智三) (2006.6.1)
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