尾道市教委 2009年度 ■因島南部に12年制 尾道市教委は二十九日、教育委員会議を開き、因島南部地域に幼稚園から小・中学校と十二年間の一貫教育をする「因南学園」(仮称)を二〇〇九年度に開校する方針を決めた。公立の幼・小・中統合一貫校の設置は県内では初めてとなる。市教委は本年度中に基本・実施設計を行い、〇七年度から二年間で新校舎を建設する。 設置方針によると、因南地区(土生、三庄、田熊)の小・中学校計六校と土生幼稚園を一つに統合し、旧因島高土生校舎跡地に幼・小・中一貫校を新設する。各学年は二―三の複数学級になる。 市教委は今後、通学の安全確保のためにスクールバスの運行も検討。地域の人々が運営協議会を通じて学校づくりに参画するコミュニティースクールとする。学力や人間性の育成に効果が大きいとして、市教委は「おのみちモデル」のパイオニア校とも位置付ける。 児童・生徒減が進む因南地域では、尾道市と合併前の旧因島市教委が三中学校を統合する因南中(仮称)を構想。尾道市教委は、(1)小学校施設が老朽化し、より充実した施設が用意できる(2)発達段階に応じたきめ細かな指導ができる―として、新たに幼・小・中の統合一貫校を提案した。 市教委が一月以降に開いた地元説明会では、保護者や住民から「地域から学校がなくなる」「時期尚早では」など不安の声が出た。約四カ月間の説明会で市教委は「大方の理解は得られた」(平谷祐宏教育長)としている。(石田憲二) (2006.5.30)
|