隠岐病院、最終調整 島内出産再開へ 島根県隠岐の島町の隠岐病院が、常勤の産婦人科医師を確保できず院内出産への対応を断念した問題で、後任に、安来市内の公立病院に勤務する男性医師(62)を充てることで最終調整していることが二日、分かった。医師は早ければ七月上旬にも赴任し、再び島内で出産できる医療体制が再開する見通しとなった。(城戸収、松本大典) 同町や島根大医学部産婦人科の宮崎康二教授などによると、後任予定の医師は隠岐病院の勤務経験があり、四月中旬に同病院の産婦人科医が不在となる前から、着任を働き掛けていた。一日、同町の松田和久町長と本人、宮崎教授の三人で話し合い、本人が赴任を了承したという。同大側は三月末、派遣をいったん断った経緯がある。 隠岐病院でより安全に出産できるよう、バックアップ体制を構築する必要があり、今後、県も交えて支援体制の在り方を検討するとみられる。隠岐の島町の松田和久町長は「正式に決定してから発表したい」と話している。 隠岐病院では四月十五日以降、県立中央病院(出雲市)からの派遣が週一日半に切り替わり、出産が不可能となった。十月末までに出産を予定していた約六十人が本土での出産を余儀なくされている。 (2006.5.3)
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