広島市内4社 増便や路線変更
昨年十一月に広島市安芸区で発生した女児殺害事件を受け、市内のバス会社四社が今月から、計五路線で、子どもの通学時に合わせた増便や路線変更などを始めた。昨年末に中国運輸局と広島県バス協会、広島市教委などで発足させた「路線バスを活用した通学時の安全確保協議会」の調査で地域から寄せられたニーズに応えた。 広島交通(西区)は亀山小(安佐北区)からの要望を検討。約百五十人の児童が通学用に使う勝木線について、今月一日から下校時刻に合わせて学校前を始発とする一便を増発した。暮町昌保校長は「校区に新興住宅地を抱え、バス通学する児童が増えていたので助かる」と喜ぶ。 同社の寺本一仁業務課長は「できる範囲で今後も学校側の声に耳を傾けたい」と言う。関連会社の広交観光(西区)も三田小(安佐北区)の学区を通る路線バスのダイヤを変更し、下校する時間に合わせて学校前に停車するようにした。 路線変更をした会社もある。第一タクシー(安佐南区)は区内の安小と地元自治会の要望を受け、下校時のバス便が児童の住む地区をカバーできるよう住宅団地の経由地を拡大。新たに五停留所に停車する。 ささき観光(佐伯区)も佐伯区湯来地域の小中学校と協議し、路線延長して児童・生徒を自宅近くまで送り届けたり、乗り換えなしで帰宅できるようにしたりした。 運輸局自動車交通部の松枝重義課長は「短期間に実行に移してもらい喜んでいる。今後も協議会を通して連携を深めたい」としている。(伊東雅之) (2006.4.22)
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