児童の5割が誤答 広島市教委調査 中学生は3割強 5年でやや改善
広島への原爆投下の年や日時について、広島市内の小学生高学年で五割余が、中学生は三割強が正確に答えられないことが十八日、市教委が五年おきに実施する「平和に関する意識調査」で分かった。正答率は、五年前の前回よりは改善されたものの、被爆五十年の十年前に比べると、それぞれ数ポイント低かった。市教委は、被爆体験の継承に果たす学校教育の役割がさらに重要になるとして、一層の充実に努める。(宮崎智三) 調査は昨年七月、無作為に選んだ市内の小学四―六年生千四百九十九人と中学生九百九十二人の計二千四百九十一人を対象に実施した。 この結果、原爆投下の年・月日・時刻すべてに正答したのは、小学生が49・6%だった。一九九五年に実施した一回目の調査時の55・7%は下回ったが、二〇〇〇年の前回調査時の35・2%を15ポイント近く上回った。中学生ですべて正答したのは67・6%。前回の63・0%を若干超えたものの、やはり一回目の74・7%に及ばなかった。 長崎への原爆投下に関しては、都市名・年・月日・時刻すべての正答率は小学生で三割を切り、中学生も55・1%にとどまった。このほか、非核三原則についての質問(中学生だけ)の正答率は75・0%で、四人に三人が理解している一方、十年前の84・0%から回を追うごとに低下している。 五年前の調査では、被爆地の子どもたちの基礎知識の低下が顕著だったため、市教委は、学校単位で被爆証言を聞く取り組みの予算措置を全校に拡大。在学中に一度は原爆資料館(中区)に行くよう指導してきた。 市教委は、今回の結果について、知識の改善にはつながっているものの、「まだ不十分」と受け止める。原爆関連の学習の充実や、平和を幅広い観点から考える活動を積極的に取り入れる必要性などを強調している。 (2006.4.19)
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