中国新聞


県立高支援を強化
広島県教委 学力底上げ図る


 全校で合宿実施/指導研究に経費

 広島県教委は本年度から、県立高校の学力向上を支援する事業を強化する。重点支援する学校が合同の学習合宿を実施したり、教員同士で学習指導法を研究したりする場合、経費を負担するメニューを新設した。学校単位での学習合宿の実施を全校に広げるなど、全体の底上げも目指す。(村田拓也)

 計画では、今月末までに県全体の学力向上の推進モデルとなる「進学指導拠点校」に五校、「進学指導重点校」に十五校を指定する予定。拠点校はそれぞれ二年生から五十―四十人の希望者を募り、三泊四日以内で合同合宿をする。合宿では各校の教諭が講座を受け持つほか、自主学習の時間も設定。他校の生徒と勉強して刺激を与え合い、学力向上につなげる。

 宇宙工学やバイオ、法律学など最先端の研究に取り組む大学教授を招いた模擬授業や、大学院生らの講演を開き、進路意識も高める。合同模試も実施し、目標達成に向けて計画的に学ぶ姿勢を身に付けてもらう。

 重点校でも五校ずつに分かれて合同合宿に取り組むほか、合同模試も実施する。教員が集まり、講演や模擬授業を通じて学習指導法を研究する機会も設ける。

 指定校を含む全県立高では新たに、学校ごとの学習合宿や、大学教授による模擬授業の実施を支援。共通学力テストも継続する。

 県教委は二〇〇〇年度から、学力向上を目指す施策に取り組んできた。〇五年度入試では、センター試験の受験者は約四千三百人と〇一年度の一・四倍に増加。国公立大の合格者数も約二千二百人で一・六倍となるなど成果を挙げているという。

 県教委指導第二課は「学力向上に近道はない。施策を通じて進路や教科指導を改善し、希望する進路を実現できる学力を身に付けさせたい」としている。

(2006.4.13)


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