広島市指導員 県警OB全区に 入学式や新学期を控え、各地で子どもの安全を守る取り組みが五日、スタートした。新たな年度を迎えた県警も安全・安心のまちづくりへの体制強化を申し合わせた。 広島市は、小中学校の防犯体制づくりを助言する「地域学校安全指導員(スクールガード・リーダー)」として広島県警OB八人を委嘱した。昨年十月からの五人態勢を拡充し、八つの区すべてに一人ずつ配置、各校の巡回回数を月一回から二回に倍増させる。面積の広い安佐南、安佐北両区には今後、それぞれ一人増員する。 市教委事務局のある中区役所で委嘱式があり、地域の治安状況に詳しい交番勤務経験者など八人が、「みんなで守ろう 子どもの安全」と書かれた緑色のジャンパーと腕章を受け取った。 市立の全小中学校で始業式と入学式がある六日から、各校巡回や防犯教室の講師、住民や保護者がつくった見守りグループの指導などにあたる。 昨年十一月に女児殺害事件が起きた安芸区担当の八幡昌三さん(64)=南区=は「子どもを狙った、予想もつかない事件が起きる時代。地域の信頼を得て子どもを守りたい」と意気込んでいた。 県警OBの活用は、文部科学省のモデル地区に指定された昨年十月に始まり、広島市で五人、福山市で四人が活動。県教委によると、本年度は広島市の十人を含め、県内全市町で五十二人に増やす予定。(石川昌義) (2006.4.6)
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