中国新聞


「4・5」制や英語科盛る
広島市教委、改革最終案


 小中課程 特区申請へ

 広島市教委が設置した「学校教育のあり方検討委員会」は二十八日、言語・数学的論理の運用能力向上をめざす教科の新設と、英語科の小学五年生からの導入を盛り込んだ広島型義務教育改革の最終報告案をまとめた。近く岡本茂信教育長に提出する。これを受け、市教委は、構造改革特区の申請や、市独自のカリキュラム作成に乗りだす。

 最終報告案は、基礎学力向上に向けた「市の新しい義務教育の創造」を提言。(1)小中の九年間を国語や算数の基礎を徹底する前期四年(小四まで)と、思考・表現力を発展させる後期五年(小五から)に分ける「4・5」制導入(2)後期向けの教科新設(3)小五からの英語科導入―の三項目を柱に据えた。小学、中学の制度は変更しない。

 学力二極化の深刻化や、中学進学時の変化に対応できない―など現状の課題克服が狙い。新教科は、言語や数学的原理についての知識や技能を日常生活で効果的に生かす能力をはぐくむ。導入前の小四までは国語と算数の授業数を増やし、基礎力の定着を図る。英語科は、論理的な学習が可能として小五からの導入にした。

 新教科と英語科導入により、総合的な学習と中学の選択教科の授業数を減らすものの、全体の授業数は各学年とも年三十五時間程度増える。

 市教委は新年度、国語や算数、英語、新教科の検討会議を設け、きめ細かな学習指導計画や到達目標などの独自カリキュラムを作成。国の特区に認定されれば、二〇〇七年度以降に研究開発校で試行し、課題や成果を整理。段階的に全市立小中学校に普及させる。(宮崎智三)

(2006.3.29)


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