広島県教委方針 認定教員、給与区別へ 広島県教委は十四日、子どもへの適切な指導や授業ができず「指導力不足」と認定し、研修中の教員に対し、他の教員と給与面で区別化できるよう、制度改正に乗り出す方針を明らかにした。年一回の定期昇給の先送りや、ボーナス減額などの具体策を検討する。関靖直教育長が十四日の県議会予算特別委員会で述べた。 関教育長は「認定制度の趣旨から、給与上適切な措置が必要」と説明。実施時期は「他の職との均衡など課題はあるが、可能な限りすみやかに措置したい」と述べた。 県教委は現在、教員十五人を「指導力不足」と認定している。県立教育センター(東広島市)や学校で、模擬授業や授業の計画立案などの研修を実施。代替の要員を臨時採用している。 今は認定教員に対し、定期昇給やボーナスで差をつける制度はないという。実力不足で正規の業務を離れても給与面で格差がない現状を変える必要があると判断した。 二〇〇一年度以降に認定した五十九人のうち、自主的に退職したのは十八人。関教育長は、研修で指導力の回復が見られず、今後も改善が見込めない認定教員に対しては免職、休職、降任、降給ができる「分限処分などで適切に対応していく」との考えをあらためて示した。 指導力不足と認定された教員を対象にした定期昇給先送りなどの方針について、県教職員組合の山今彰委員長は「認定制度に問題があるのに、生涯賃金に影響するような制度改正は問題がある」としている。(村田拓也) (2006.3.15)
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