広島で読み聞かせ講座 ■アドリブOK リズム重視 父親の育児参加のきっかけづくりに、絵本の読み聞かせを勧める活動が広島県内の図書館で始まっている。母親とはひと味違った絵本のチョイスや読み方が、子どもたちに受ける秘訣(ひけつ)のようだ。パパも、絵本で子どもと遊ぼう―。(西村文)
「親子で絵本を楽しもう―パパたちが語る絵本のたのしさ」と題した講座が十八日、江田島市である。講師は、東京を中心に活躍する三、四十代の父親三人のボランティアグループ「パパ’S絵本プロジェクト」。絵本で遊んでみせる、型破りな読み聞かせで人気を集めている。 講座を考えたのは、同市教委の図書館担当職員、白地隆作さん(33)。四歳の娘を持つ父親でもある。わが子にどう話し掛けていいか分からず、「子育てにかかわりたいのに、遊べない」と悩みを抱えていた。 参加者増える
転機は昨年二月。広島市中区の県立図書館が開いた講座「親子で本を楽しもう」で、「パパ’S絵本プロジェクト」に出会った。アドリブを効かせた自由自在な読み聞かせの実演に驚いた。 例えば「ねえ、どれがいい?」(評論社)なら、こうだ。「ねえ、どれがいい? へびにかまれるのと、わにに食べられるの…」。「どれもイヤだー」と絶叫する子どもたち。「だめだめ、選ばなきゃ。ヘビがいい人、手を挙げて」。絵本の筋から脱線して、盛り上がった。 「型にはまらず、子どもと一緒に楽しめばいいんだと気付かされました」と白地さん。 講座の後、県立図書館はホームページに「パパの小部屋」コーナーを開設し、父親が読みやすい絵本リストなどを紹介している。月二回、館内で開く乳幼児対象の読み聞かせ会にも、父親の姿が目立ちだした。 主任主事の松田愛子さん(32)は「ストーリー重視で絵本を選ぶ母親に比べ、父親は言葉のリズムが楽しく、読みやすい絵本を好むようです。言葉をまだ話せない乳幼児でも、絵本を間に挟めば、親子のコミュニケーションが取れます」と助言する。 50冊を展示中 同図書館は、父親好みのリズム感あふれる絵本など、ゼロ―二歳児向きの五十冊を選んだ冊子「えほんはじめまして」(全国家庭教育フォーラム広島県実行委員会発行)を作製し、配布中。リストに挙げた五十冊の実物を四月末まで、館内で展示している。 江田島市教委の講座「親子で絵本を楽しもう」は十八日午後二時から、同市江田島町の鷲部公民館。無料。同市教委Tel0823(40)2261。 (2006.3.6)
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