中国新聞


成育医療でセンター構想
広島県、2008年度から


 広島県は、県立広島病院(広島市南区)に「成育医療センター(仮称)」を設置する構想を進めている。不妊治療に加え、出産前から成人までの高度医療を長期的に提供する拠点とする考えで、新年度から同病院の「母子総合医療センター」の機能を順次拡充、二〇〇八年度に移行する方針だ。(守田靖)

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成育医療センターへの移行に伴い、超未熟児医療などの拠点として機能強化されるNICU(県立広島病院)

 成育医療センターは産科や小児科を中心とした母子医療だけでなく、小児特有の疾病を患ったり、超未熟児で生まれ障害が残ったりした患者らを、成人になるまで継続治療するのが特徴。県県立病院室によると、全国には国立成育医療センター(東京都世田谷区)と、松山日赤病院内(松山市)の二カ所ある。県立広島病院に設置されれば中国地方で初となる。

 現センターは産科、新生児科、小児科、小児外科、婦人科、小児感覚器科の六科構成。成育医療センターへの移行に向け、新年度は「小児腎臓科」を設置するほか、てんかんや脳性まひなどの小児神経医療の専門家を配置する。

 〇七年度は、体外受精など年間三百例の不妊治療の実施を目指す「生殖医療科」を開設。〇八年度に、計八科構成で成育医療センターに移行する。

 一方、〇七年度には産科を二十七床から三十七床へ、新生児科を十八床から二十床へ増やす。新生児集中治療室(NICU)のスペースも拡充。入院中の子どもの心のケア体制を整えるため、小児専門の心理療法士の配置も検討する。

 県内各地で出産可能な産科が減っていることを考慮。産科の病床の一部をオープンスペースとし、中山間地域などの患者やかかりつけの医師が県立広島病院へ「出張」して、高度な施設で出産できる体制をとる。

 成育医療センターの設置は、同病院の母子・小児医療の機能強化を考える検討会(大浜紘三会長)が昨年十月、県に提出した報告書に盛り込まれている。

(2006.2.4)


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