三次市教委の「キャリア教育」 ゲーム通じて役割・交渉学ぶ
三次市内の全二十九小学校の六年生が、働くことについて、ゲームなどを通して学んでいる。さまざまな条件の下、一つの目標に向かって、チーム内で自分の役割を知り、協力していく大切さなどを体感している。(二井理江) 二十四日に三次小であった授業には、三次西、河内小児童も合わせて五十六人が参加。ゲームは二クラスに分かれて、それぞれ三、四人ずつ八チームで実施した。各チームに与えられたのは、はさみや定規、紙、模造紙幣など。三角形や丸などの製品を作り、取引所でお金と交換する。 紙が少なかったり文房具がなかったりチームごとに条件はさまざま。せっかく作った製品を没収されることもある。子どもたちは戸惑った。「はさみ貸して」と頼まれて他チームに渡してしまう姿も見られた。が、時間がたつにつれ、少しずつ物々交換や現金で売買する交渉をし始めた。 ゲーム終了後に民間業者の男性講師から「現実の社会は不平等だし、災害などもある。どうやって乗り越えるかです」などと説明を受けた。助言を聞きながらチームで役割分担したり作戦を考えたりして再度ゲームに挑戦。今度は素早く動き回る姿が目立った。 三次西小の羽賀詩央里さん(12)は「自分の意見を言って、人の意見も聞くことが大切だと思った」。三次小の藤川汰久也さん(12)は「働くのはたいぎいと思っとったけど、やりがいがありそう。人の役に立ちたい」と話す。 三次市教委が、小中学生に社会人として必要な意欲や態度を身に付けさせようと進めるキャリア教育の一環。地元の商工会議所や商工会などに参加してもらって推進委を設立し、中学生は二〇〇六年度に五日間の職場体験を計画している。 (2006.1.26)
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