呉市交通局27日から 登下校時 マンモス校を経由
犯罪から子どもを守るため、呉市交通局は二十七日から、市北部の焼山地区を走る路線バスルートを変更し、市内一のマンモス校、昭和北小(八百八十九人)前を登下校時間帯に限って経由する。(久行大輝) 通学時の安全性と利便性の向上を図るのが目的で、ルート変更するのは焼山熊野苗代線と昭和循環線北コースの二路線。登下校時の計九便を県道呉平谷線から同校のある団地に迂回(うかい)させ、午前七時十九分〜三十七分と午後三時七分〜四時二十一分に「昭和北小学校前」に止める。 同校は校区周辺部に団地が造成され、通学にバスを利用する児童が約三百人と市内最多。現在の最寄りバス停は呉平谷線沿いの「北原」で、同校から約七百メートル離れている。 団地の進入路は約三百メートルの坂道を上るのに加え、周囲に民家がない。心配した保護者たちからは、コースの変更を求める声が高まっていた。呉市交通局も昨年十一月に起きた広島市安芸区の小学生女児殺害事件を受け、内部検討していた。 政府は十二月、犯罪から子どもを守るための関係省庁連絡会議を開き、全通学路の安全点検などとともに、路線バスを活用した通学時の安全確保を緊急対策六項目に挙げた。中国運輸局によると、この要請を受ける形でルートを変更したのは「恐らく全国で初めてではないか」と話している。 (2006.1.25)
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