中国新聞


広島県内の子どもの体力 全国並みに
延べ204種目 半数が平均超え


 広島県内の子どもの運動能力は改善傾向にあり、全国平均と肩を並べる程度にまで上がってきていることが、本年度の県教委の体力・運動能力調査で分かった。全国的に子どもの体力低下が指摘される中で、全国平均と同じか上回った種目の割合は、現行の調査が始まった二〇〇〇年度以降、初めて五割を超えた。(金刺大五)

グラフ「同じか上回っている種目の割合」
グラフ「中学2年生の1日の運動時間」

 調査は小学一年から高校三年までを対象にした。それぞれの学年で男女各千五百十人を抽出(中学二年は全員)。男女、学年別で四〜七月に、握力▽上体起こし▽前屈▽反復横跳び▽持久走▽五十メートル走▽立ち幅跳び▽ボール投げ―の八種目で実施した。

 学年別など比較した延べ二百四種目のうち、全国平均(〇四年度)と同程度以上の成績だったのは、51・5%の百五種目。前年度に比べて二十三種目増え、五年前の二・五倍になった。握力やボール投げ、柔軟性をみる前屈の成績が良かった半面、反復横跳びと五十メートル走は小学生の全学年ですべて全国を下回るなど苦戦している。

 前年度との県内比較では、77・9%の百五十九種目が同じか上回った。握力や持久走、ボール投げで力が伸びた。しかし、小学六年女子は全種目で前年度を下回るなど、課題は多い。

 中学二年生の約二万二千人には体力テストと併せ、生活習慣のアンケートも実施。運動部やスポーツクラブに所属している生徒は男子が83%、女子が65%で、ともに10ポイント程度、全国平均を下回った。一日の運動時間は一時間未満は男子が22%、女子が39%で、ともに全国平均より10ポイント程度多かった。

 一方、テレビゲームを含むテレビの視聴時間は、男子は一時間未満が16%、一時間以上二時間未満が29%、二時間以上三時間未満が27%、三時間以上が28%。女子は一時間未満が11%、一時間以上二時間未満が26%、二時間以上三時間未満が30%、三時間以上が33%で、女子の方が長い傾向が出ている。

 県教委スポーツ振興課は「体力は『生きる力』の柱の一つ。学校での運動習慣の定着や地域と連携した体力づくりなど、各校で指導を充実してほしい」と話している。

(2005.12.25)


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