広島井口台 わんわんパト隊、広がる輪 広島市西区の井口台小PTAが「井口台わんわんパトロール隊」をつくり、犬の散歩を兼ねて登下校の子どもたちを見守っている。学校から連絡を受け、下校時間に合わせて散歩するなど、学校とスクラムを組んでいるのが特徴。住民から参加希望も寄せられ始めた。(馬場洋太)
隊員は愛犬家の保護者二十八人。緑色の腕章と犬の写真入りの名札を着けて歩き、不審者を見掛けたら通報する。世話役の杉岡裕子さん(44)は「腕章を見て保護者だと分かり、子どもたちからも気軽に声をかけてくれるようになった」と効果を実感している。 昨年度、学区内に不審者が出没し、学校とPTAが話し合いを重ねる中で生まれた。当番制の見回りは共働き家庭に負担が重く、坂のきつい井口台では自転車が使いにくい―などの事情から、犬の散歩と兼ねてもらうアイデアが出て、九月下旬に発足した。 安芸区の女児殺害事件後は、学校が学年・曜日別の下校時刻一覧表を配り、時間帯に合わせて散歩できるようにした。警察からの不審者情報も携帯メールで知らせ、近くに居合わせる隊員らがすぐに対応できる態勢を整えた。広兼明子校長は「教員の付き添いにも限界があり、見守ってもらうと助かる」と話す。 各自の散歩コースを地図に記入し合い、巡回が手薄な場所も浮かび上がった。保護者以外の住民からも「加わりたい」との声が上がり、隊員たちは「地域全体で息の長い活動にしていきたい」と話し合っている。 広島県警によると、犬の散歩の際に防犯パトロールを兼ねる取り組みは、井口台を含め県内に八例あるという。 (2005.12.20)
|