中国新聞


防犯教育向上 CDが先生役
広島県警が作製 小中高へ配布始める


 知識の共有、教員に徹底

 広島市安芸区の小1女児殺害事件など、子どもを狙った犯罪が各地で相次ぐ中、広島県警少年対策課は、県内の学校で取り組む犯罪防止教室の教材用CD―ROMを作り、16日から学校への配布を始めた。パソコンで手軽に情報を共有できる利点を生かし、生徒指導担当者などの教員だけでなく、どの教員にも防犯の知識を身に付けてもらい、よりきめ細かい指導を目指す。(松本恭治)

 警察庁や文部科学省などが発行し、県警の少年育成官らも実際に使っている複数の教材の内容を取り込んだ。非行防止と被害防止、学校安全の、主に三つの観点から、小学生と中高校生向けなどに分けて対策を紹介。「一人で遊ばない」「知らない人について行かない」などの五つの約束や、地域安全マップを作るポイントなどを載せた。

 県防犯連合会(宇田誠会長)の助成を受け、千百枚を作製。十六日の庄原市を手始めに、年内に県内すべての学校と教育委員会、警察署に配る。

 子どもが被害に遭う犯罪の多発を受け、県内の各学校は年一回以上、犯罪防止教室を開いている。しかし、指導役は警察官や一部の教員に限られ、多くの学校が児童生徒を一堂に集めて実施するため、指導が十分に行き届いているとは言い難い現状がある。

 県警少年対策課の前田英雄次席は「CD―ROMを有効に使ってクラス単位で教室を開き、子ども一人一人に自分の身を守る対策を徹底させてほしい」と話している。

(2005.12.17)


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