中国新聞


防犯活動 学生も奮起
広島経済大 教育プログラムの一環


 地域の子どもたちとの触れ合いを防犯につなげようと、広島経済大(広島市安佐南区)の学生有志が「子どもたちを守ろうプロジェクト」を始める。まず、自分たちに何ができるか、具体的な知恵を絞っている。

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「まず子どもを知ることから」。今後の取り組みに向け、熱く意見を交わすプロジェクトメンバーたち

 十四日夜、同大興動館の一室に、二、三年生十三人が集まった。「子どもたちに何をしていきたいか」。リーダーの経営学科三年西国真一さん(21)=安佐南区=の投げかけに、メンバーは思いを語った。

 活動は、同大が来年四月から始める新たな教育プログラムの一環。学生の考えた起業などに大学が最高一千万円を支援する。糸口として今年十月下旬、大学側がカフェ運営や国際貢献など四テーマを学生に提示。その中で、全国で子どもを狙った犯罪が相次ぎ、子どもを守る取り組みも始まった。「社会への正義感で動きだした学生が多い」と担当職員は言う。

 国際地域経済学科三年三宅悠介さん(21)=東区=は「犯罪や非行の増加で自治体が対策を取っているが、学生の視点でできることもあるはず」と動機を語り、具体的な事例を盛り込んだ防犯絵本の制作を提案した。行政などが配布する一枚のチラシでは漠然としていて子どもが十分理解するのは難しいと思うからだ。

 ほかの学生からも「集団下校を手伝う」「日々変わる状況に対応するため、子ども向けの地域安全新聞を発行してはどうか」などの提案があり、熱い議論が続いた。

 「まずは実態をつかみたい」と西国さん。メンバーは今週末、小学校に出かけ、児童たちのニーズを聞く。(森田裕美)

(2005.12.17)


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