福山市、4670人分 通学路の安全図る 福山市は八日、来年四月に市内の小学校に入学する新一年生全員に、防犯ブザーを配布する方針を決めた。広島市安芸区の小一女児殺害事件を受け、児童の登下校時の安全対策の一環として導入する。公立、私立の区別なく全一年生に配る方向で最終調整をしている。 対象とするのは、来年三月に合併する神辺町も含め原則、市内の小学校に入学する全児童。四千六百七十人前後で、総購入費は二、三百万円となる見込みだ。今後、市教委が中心となり、機種や配布時期を決める。 配布に当たって市教委は、教職員や児童らに効果的なブザーの使い方を伝える研修会の開催も予定。ブザー音が、児童の異変を知らせていることを広く市民に知ってもらうため、市教委は住民向けの啓発活動にも取り組んでいく、としている。 福山市教委によると、十一月末現在、市立小七十二校のうち四十五校で全児童が防犯ブザー、またはホイッスルを携帯。残りの二十七校でも一部の児童がいずれかを身に着けているという。 これまで同市では、防犯ブザーなどの購入費は保護者負担だった。登下校中の児童が狙われる事件が相次いでいるため、公費負担に踏み切る。 羽田皓市長は「通学路の見直しなど他の施策も並行して実施し、尊い命が失われることのないよう取り組みたい」と話している。(山本将克) (2005.12.9)
|