広島市内 声掛けや学区巡回 広島市安芸区の女児殺害事件で容疑者が逮捕された後も、広島市内では住民グループが児童の登下校を見守る地域がある。教職員や保護者だけでは、人数や時間にも限界があり、シニア世代などに期待がかかる。(桑原正敏)
南区の青崎小は二日まで集団下校を継続。週明けの五日以降も地域の複数のグループが「地域の目」を張り巡らせる。 二十九日にあった一斉下校では、地区の地域安全推進員約二十人が児童に付き添った。青少年健全育成連絡協議会の約十人は、信号機付近や路地の分かれ道に立って「おかえりなさい」などと児童に声を掛けていた。 登下校のサポートをしているのは、推進員や青少年協など四グループ。町内会の役員や定年退職したシニア世代などが中心で、四年ほど前から各団体が個別に学区の巡回や、下校時の見送りをしてきた。事件後の二十四日からは、団体同士で連携して、集団下校の支援を続けている。 同小の女性教諭(43)は「住民グループの協力はとても助かる。児童たちも心強いはず」と感謝する。推進員で向洋中町町内会長の大前辰男さん(77)は「子どもと住民の距離が縮まり、防犯効果も高まる。五日以降も互いに協力して、子どもたちを守りたい」と気を引き締める。 同小は九日にPTA役員会を開き、登校時の付き添いなど保護者に協力を呼び掛ける。都野哲朗校長は「保護者も仕事などの都合があり、連日見守りをお願いするのは難しい。複数の住民グループに参加してもらうことで、防犯の網の目をきめ細かくして、連携をより深めていきたい」と話している。 南区の仁保学区社会福祉協議会は九月から、仁保小学区内の防犯組合やPTAなどに呼び掛けて週一回、下校する児童に声を掛けている。二〇〇六年三月まで実施する。佐伯区の美鈴が丘地区では事件後、地域安全推進員らが毎日、下校時の付き添いを実施している。 広島市教委は小学校を対象に、事件後の対応を調べている。六日までに取りまとめ、安全対策に活用する。 (2005.12.2)
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