1万人目標に署名活動 要請書 知事へ年内提出 庄原赤十字病院の産婦人科医がいなくなり、四月から出産できる医療施設がなくなった庄原市に「出産医療の再開を求める市民の会」が発足し、一万人を目標に署名活動を始めた。日赤広島県支部長でもある藤田雄山知事に、来春からの再開と過疎地域の医療体制充実を求める要請書を年内に提出する。(坂田一浩) 市民二十人と労組など七団体で発足した。十五日あった設立総会で代表の小笠原洋行・県北地域労連議長は「市内で出産できないことに市民の多くが不安を抱いている。早急な再開が願い」と、協力を訴えた。 会員が署名を集めているほか、街頭でも呼び掛ける。まず第一次分として十二月中旬にも集約し、藤田知事に手渡す考え。 再開には、最低二人の医師が必要とされる。滝口季彦市長は「広島大医学部、県、庄原赤十字病院とも再開に向けた努力を約束してもらっている。市民の運動は切実な願いの表れ。心強い」と話す。同病院も「関係先への働きかけを継続している」としている。 同市の四月から九月までの出生数は百六十五。隣接する三次市内の医療施設で出産するケースが多いとみられる。市立三次中央病院での同期間の分娩(ぶんべん)数は三百六十八。昨年までの五年間の同じ半年間の平均二百四十七を大きく上回っている。 (2005.11.19)
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