中国新聞


神辺町独自の施策
小学校英語指導を継続
来春合併の福山市方針


 将来の制度統一にらむ

神辺町の神辺小で、児童に発音や会話などを指導する外国語指導助手(右端)

 二〇〇六年三月に神辺町を編入合併する福山市は十三日、町が独自に実施している小学校での英語活動(指導)について、合併後の〇六年度は現行制度を存続する方針を固めた。当面、町の六小学校に外国語指導助手(ALT)四人を配置する体制を維持する。併せて今は市立中のみとしているALT派遣を小学校にも広げ、将来の制度統一に備える。

 神辺町教委は、小学校六校での英語指導をサポートするALT四人を〇四年度以降、独自に採用している。合併後は授業外の勤務時間などを削減。現在は常勤のALTを非常勤講師として、引き続き採用する考え。

 市教委は「保護者の存続要望も強く、合併後に教育内容をすぐに変更するわけにはいかない」として、全クラスで実施している週一時間の英語指導を少なくとも〇六年度末までは継続する方針。〇七年度以降については「全国の動向などを見極めながら判断する」(市幹部)という。

 一方、市教委も小学校での英語指導の充実を重点施策に掲げている。将来、神辺地区独自の英語指導を廃止するのに備え今後、同地区の水準に近づけていく。〇五年度に採用しているALT七人を、〇六年度は少なくとも九人、〇七年度は十一人にまで増やす。

 今は中学校だけで指導しているが、要望に応じて早ければ〇六年夏ごろから各小学校への派遣も始める。一校当たりの派遣回数も段階的に増やしていく、としている。

 文部科学省は、公立小学校での英会話や筆記などを、総合的な学習の中で「英語活動」と位置付けている。対応は各市町教委に委ねられているが、福山市と神辺町の場合は神辺が先行。合併により編入される神辺側が、福山市の水準を引き上げる格好になる。

(2005.10.14)


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