中国新聞


「情動」5歳までに形成
文科省検討会


 乳幼児教育の重要性指摘

 怒りや喜びなど一過性の感情の動き「情動」について、文部科学省の検討会(座長・有馬朗人元東大学長)は十二日、「情動は五歳までに原型が形成されるため、乳幼児教育が重要だ」とする報告書をまとめた。

 感情をうまく制御できない「キレる子ども」の増加が指摘されていることを受け、検討会では脳科学や医学、教育心理学などの専門家が各分野の研究を発表、教育に応用できる成果を探った。

 これまでの研究から科学的に判明したものとして(1)情動は生まれてから五歳くらいまでに原型が形成される(2)子どもが安定した自己を形成するには他者、特に保護者の役割が重要(3)子どもの心の成長には、基本的な生活リズムや食育が重要−などを挙げた。

 相手と一緒にいることで安心感や満足感を得られる「愛着」の形成の必要性も指摘。乳幼児期から良好な親子関係などを築き、愛着体験を豊かにすることで、対人関係能力や言語能力が伸長するとした。

 情動を適切に発達させるためには、家族からの愛情を受けて三歳ぐらいまでに安定した情緒をはぐくみ、五歳までに基盤を育てる乳幼児教育が重要だと提言している。

(2005.10.13 共同通信)


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