呉三津田高 自立を呼び掛け
呉三津田高校(水野善親校長)は七日、経済界などで活躍する卒業生らを招いて、学校にも行かず仕事にも就かない「ニート」と呼ばれる若者について考えるパネルディスカッションを開いた。ニートを生む社会的背景や働くことの意義、若者に欠如している自立心などについて話し合った。 パネリストは、同校三年谷俊輔君(18)、同村重恵さん(17)、同校出身で呉信用金庫理事長の大年健二さん(59)、世界遺産総合研究所所長の古田陽久さん(54)、児童思春期精神科医の田宮聡さん(44)の五人。 ニートを生んだ背景について、大年さんは「親の支援などで働かなくても生活できるうえ、企業の採用控えなどの要員が重なって増大している」と分析。「やりたい仕事が見つからず、働かないうちに働けなくなった」と若者の自立を呼び掛けた。 村重さんは「ニートの増加で高校生や大学生の就労意欲が低下し、新たなニートを増やしている」と指摘したのに対し、古田さんは「失敗を恐れず、自分の夢に向かってまい進してほしい」などとエールを送った。 谷君は「僕らの世代は挫折をあまり知らない。ニート問題を自分の事として考えなければ」と訴え、生徒からも「挫折した時の克服法を教えてほしい」などの質問も出た。これに対し、田宮さんは「挫折を乗り越えるには、家族や友達の支えが大事」とアドバイスした。 会場では、三年生約二百三十人や保護者が熱のこもった提言に聞き入った。 (2005.10.8)
|