不審者防止、正面から対策 来年3月めど 合併地区中心に28校
学校への不審者侵入防止策の一環で、福山市教委は市立小中学校の正門整備に乗り出す。計二十八校で鉄製門扉を新設。福山市では、新たに合併した地区を中心に正門のない学校が多かった。二〇〇六年三月末までに市立校すべてに門扉が設置される。 対象は市立小二十校、市立中八校。高さ約一・一メートル、幅六〜七メートルの鉄製門扉を正門に備え付ける。市教委は一校当たり百三十万〜百六十万円の設置費を見込み、関連予算案を開会中の市議会定例会に提案している。 未整備の学校は、合併地区に多いという。今回整備される二十八校のうち、合併地区は十八校と全体の六割に上る。市教委は「市が周辺市町と合併した一九六〇、七〇年代に学校が急増し、正門の整備が追いつかなかったのでは」とみている。 未整備の駅家中(同市駅家町)では現在、正門に鎖をかけて不審者に備えている。中山孝範校長は「学校建設時は、門扉を必要としない平和な時代だったのだろう。どっしりとした門扉があれば、不審者も入りにくいと感じるはず」と期待している。 二〇〇五年度、児童生徒らから市教委に寄せられた不審者情報は八月末現在で三十一件。十月から小型無線機を利用した緊急通報システムを市立小に導入するなど、市教委は不審者対策に力を入れている。市教委施設課は「安全な学校を目指し、万が一の事態に備えたい」としている。 (2005.9.17)
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