文科省調査 ▽大学進学率50%超す 二○○四年度に年間三十日以上欠席し「不登校」とされた小中学生は前年度より約三千人減少し、約十二万三千人となったことが十日、文部科学省の学校基本調査速報で分かった。不登校は三年連続の減少。児童生徒全体に占める割合も0・01ポイント減り、1・14%だった。 (29面に関連記事) 文科省は「適応指導教室を充実させた成果などが表れたと考えられるが、依然として不登校は十二万人に上っており深刻な課題だ」としている。 浪人生も含む大学・短大への進学率は51・5%(前年度49・9%)と初めて50%を突破。高校進学率も97・6%で共に過去最高だった。 年間三十日以上欠席した児童生徒のうち、病気や経済的理由を除いた不登校は中学生十万七人、小学生二万三千三百十人で計十二万三千三百十七人。全児童生徒に占める比率は中学生が三十七人に一人となる2・73%、小学生が三百九人に一人の0・32%。いずれも学年が上がるにつれて増えており、中三が全体の約三分の一を占めた。 不登校状態になった理由は、友人関係をめぐる問題など学校生活によるものが36・2%、病気による欠席など本人に起因するものが35・6%。 学校側の指導で○四年度中に再登校できるようになった公立小中学校の児童生徒は約三万二千人で、不登校生全体の26・4%。特に効果があった対策では「家庭訪問を行う」12・2%、「登校を促すために電話をかけたり迎えに行ったりする」11・1%など家庭への働き掛けが多かった。 ただ、不登校を減らすために自治体が数値目標を掲げるケースもあり、教育関係者からは「数合わせのために実態が隠されているのではないか」との指摘も出ている。 女子の大学在学者は約百万九千人。全体に占める割合も前年度比0・2ポイント増えて40・2%となり、過去最高だった。 (2005.8.11 共同通信)
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