中国新聞


暴力・いじめ 5年で半減
広島県内公立校 昨年度まとめ


不登校・退学も最少 未然防止 取り組み奏功

グラフ「学校の問題行動報告数」

 昨年度、広島県内の公立校で起きた暴力行為といじめの件数は、いずれもこの五年間で半減したことが十三日、県教委のまとめで分かった。暴力行為は調査開始以降、最低で、不登校、中途退学も過去五年で最少となっている。県教委は「より分かる授業の工夫や生活指導の充実に、さらに取り組みたい」としている。

 県教委が実施した問題行動などに関する調査によると、二〇〇四年度に報告のあった暴力行為は九百八十八件。ピークの二〇〇〇年度の49・5%に減り、一九九七年度の調査開始以降、初めて千件を切った。

 行為の内訳は、生徒間の暴力63%▽ガラスを割るなど器物損壊18%▽教師に対する暴力13%―の順に多い。中学校が七百三十四件を占めるが、前年度に比べ百十二件減った。高校は百六十八件、小学校は八十六件だった。

 件数が減少したことについて、県教委は「分かる授業の工夫や指導体制の強化で、学校に落ち着きが出てきている」と分析する。

 いじめも三百五十二件で、二〇〇〇年度の50・5%に減った。学校別では、中学校が二百二十六件と前年度より九十四件少なくなった。小学校、高校では横ばいだった。

 発見のきっかけは、いじめられた子どもからの訴えが34%▽保護者からの訴えが32%▽担任教員の発見が14%―などとなっている。減少について県教委は「早期発見、未然防止の取り組みの反映」とみる。

 一方、公私立の小、中学校の不登校の児童・生徒は三千三百六十人。前年度比では三百二十二人減ったものの、全体の生徒に占める割合は1・34%と依然、全国平均(〇三年度で1・15%)を上回る。指導の結果、登校するようになった児童・生徒も三割程度となっている。

 公私立の高校が調査対象の中途退学者も、前年度比で二百四十六人減り、千九百四十六人。中退の理由は、「もともと高校生活に熱意がない」が28%▽「就職を希望」が10%▽「人間関係がうまく保てない」が9%―だった。

(2005.7.14)


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