広島大教育学部ボランティア学生 ■3年間で6倍増43人 東広島市から補助金も 広島大教育学部の学生が地元の小中学校で、軽度発達障害の児童や生徒の学習をサポートするボランティアが軌道に乗っている。三年前は七人だったボランティアが本年度は四十三人に。市の地域課題研究事業補助金二十六万円の交付も受け、活動に力を入れている。 参加しているのは小学校や盲、ろう学校などの教諭を目指す学生。週に一、二回、東広島市や竹原市内の小中学校の授業に半日から終日加わり、学校から依頼があった知的障害や学習障害(LD)などの児童の学習をサポートしている。 「教師になって学習が苦手な児童を受け持ったときに対応できるように」と、教育学研究科障害児教育学講座の落合俊郎教授(52)が三年前から実施。担当する軽度発達障害児についての講義を受けている学生の中の希望者を派遣してきた。 軽度発達障害への社会の関心が高まるにつれ希望する学生も増加。派遣校も初年度の二校が、本年度は七校となった。 教材など年間約二十万円の費用はこれまで落合教授が研究費から工面していた。学生の増加で費用がかさむようになり、市に地域課題研究事業補助金を申請した。落合教授は「お金より市に活動が認められたのが、何よりうれしい。現場での経験は教員になった時にきっと役立つ」と喜ぶ。 西条小に通う教育学部四年の稲葉恵さん(22)は「小学校教諭を目指しているので、長期間、現場を経験できるのはありがたい。子どもがどう変わっていくのか、じっくり見ていきたい」と意欲を燃やしている。 (2005.6.30)
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