中国新聞


東広島市、幼児入院費助成を拡大へ


 市議会に提案 市民負担増は計4700―5700万円

 医療費の負担軽減で子育てには優しく、非課税措置の廃止などで高齢者などには厳しく―。東広島市は十三日開会した市議会定例会に、コントラストを描く三つの条例案を提案した。単純に収支を差し引きすると、市民の負担増は合計で年間約四千七百万〜五千七百万円が見込まれる。

 子育てに手厚いのは「市乳幼児医療費支給条例の一部改正案」。ゼロ歳から六歳までに適用されていた入院費の助成を小学校六年生までに広げる。十四日間は自己負担が一日五百円となる。

 少子化の中で経済的な負担を軽くし、安心して子育てできる環境を整えるのが狙い。四日間は五百円の自己負担で済んでいるゼロ歳児から六歳児までの通院費助成の拡大は財政的に難しく、一回当たりの費用が大きい入院への支給を決めた。

 市独自の制度で、推計では市の新たな負担は年間約六百十万円となる。可決されれば十月から施行する。

 他方、「市税条例の一部改正案」では、六十五歳以上で、年間所得が百二十五万円以下なら市民税を非課税にしていた措置を廃止する。「今年三月に地方税法が一部改正されたのに合わせた変更」と市民税課。対象となる市民の負担増は、合計で少なくとも約三百万円以上になる。

 「市国民健康保険税条例の一部改正案」でも、四十歳以上六十五歳未満で国民健康保険に加入している人がいる世帯への税(介護保険分)が増額される。所得割額の税率が1・2%から1・5%に。均等割の額は七千百円から八千八百円に、平等割額は四千百円から五千百円になり、それぞれ25%のアップになる。

 介護保険制度の利用が増えたための措置。「不況や合併で、二年間税率を据え置いてきたため」と国保年金課は説明。合わせて五千万〜六千万円の増収を見込んでいる。

(2005.6.14)


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