中国新聞


子どもの楽園 住民がサポート
岩国市平田地区「げんきっこクラブ」


 行事通し遊び場提供

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「ひらたげんきっこクラブ」のメンバー(右から2人目)とシャボン玉作りを楽しむ子どもたち

 地域ぐるみで子どもたちを育てていこうと、岩国市平田地区の住民が「ひらたげんきっこクラブ」(林輝昭会長)を結成した。文部科学省の「地域子ども教室推進事業」の指定を受けた同市内で初の団体。遊び場の少ない地区だけに、メンバーは多彩な行事を通して、子どもが安心して遊べる場の提供を目指している。

 平田小グラウンドで五月下旬にあった初の行事には、約百五十人の子どもたちが集まった。市科学センター指導員藤井辰博さん(65)=同市青木町=によるシャボン玉作り。子どもたちは、針金で作った道具を使い、競って大きなシャボン玉をこしらえた。同小四年藤川瑠沙ちゃん(9つ)は「友達とうまく作れた。また参加したい」と喜ぶ。

 平田地区は公園や広場が少ないうえ、狭い道の多い住宅地。不審者の情報もあり、安全のため、子どもたちが外で遊ぶ機会は少なかった。

 このため、「住民が一体となって子どもを守りながら、豊かな心をはぐくもう」と、地区の子ども会連合会が中心となってクラブづくりを呼び掛けた。三十歳代から六十歳代の二十五人が集まり、四月に結成。文科省から年間約六十六万円の補助も受けた。

 活動は平田小の全児童九百三十九人を対象に、月二回を予定。キャンプやボランティア清掃、たこ揚げや竹とんぼ作りなど、地域のお年寄りが講師役の「昔遊び教室」などを計画している。

 一年生の子どもを持つ同市南岩国町、主婦河本史子さん(34)は「不審者による事件や事故などが心配で、外で遊ばせるのは不安だった。クラブの行事は、大勢の大人がいるので安心です」と感謝する。林会長は「地域を挙げて子どもを育てる意識を強く持って活動したい」と話している。

(2005.6.8)


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