廿日市市 殺傷・脅迫事件受け独自 廿日市市は七日、児童・生徒の安全確保を目的に、全小中学校への監視カメラ設置など、計一億三千六百万円を投じた総合防犯対策に踏み切ることを明らかにした。市内で昨年十月に起きた女子高校生と祖母の殺傷事件や、最近の小学校への脅迫状などを受けた措置。十四日開会の市議会定例会に提案する補正予算案へ盛り込む。 市と市教委によると、約六千三百万円を掛ける監視カメラは、合併した旧佐伯町・吉和村を含む小学校十六校、中学校七校が対象。正門などに二台ずつ設置し、センサーも各校二カ所に取り付けて不審者を職員室でチェックする。工事が終了するまでは警備会社に警備員派遣を依頼する。 保育園(十五カ所)、児童館(三カ所)と各地区の留守家庭児童会にも常駐か、巡回形式で警備員を配置する。 市内十三地区での住民による登下校見守りやパトロール活動を支援するために、参加者の保険料を市が負担。笛や名札、蛍光色のベストを六百人分購入し、貸与する。 市内では殺傷事件が未解決のままのほか、三月末以降、小学校の一つへ三度にわたり脅迫状が届いた。県立高でも不審者が侵入する事件があった。市民の不安が高まっているため、山下三郎市長の意向で、県内で例のない規模の総合対策の予算化に踏み切った。 国や広島県の補助はなく、財源は財政調整基金を取り崩す。市は「財政は厳しいが、安全は金に替えられない。議決が得られれば七月から対策に着手したい」としている。 (2005.6.8)
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