中国新聞


出生率1.29最低更新
4年連続 少子化が加速


 ■厚労省04年統計

 一人の女性が生涯に産む平均子供数である合計特殊出生率が二○○四年は一・二九となることが三十一日、厚生労働省の○四年人口動態統計(概数)で分かった。小数点第三位まで含めると一・二八台後半で、一・二九をやや上回った○三年を下回り、四年連続で過去最低を更新する。

 予想を上回るスピードで少子化が進み、○七年にも予想される「人口減少時代」到来が目前に迫ったことを示した形。政府は、官民一体で子育て支援に取り組む次世代育成支援対策推進法を○三年に制定するなど対策を強化したが、少子化に歯止めはかからず、昨年施行されたばかりの新年金制度や医療、介護などの社会保障制度にも影響しそうだ。

 厚労省は一日にも、出生数や死亡数などのデータとともに統計を公表する。

 日本の合計特殊出生率は一九七○年代から減少傾向が止まらず、○三年に初めて一・三を下回った。東京都では同年に○・九九八七と全国で初めて一・○を割り込むなど、特に都市部の落ち込みが目立っている。

 国立社会保障・人口問題研究所が○二年に公表した将来推計人口(中位推計)は○四年の合計特殊出生率を一・三二とし、○七年に一・三○台で底を打って五○年までに一・三九程度まで緩やかに回復するとみていた。○四年に国会で成立した年金制度改革関連法はこれを基本に、負担と給付の額を試算した。

 人口動態統計は市区町村が出生届や死亡届などを基に報告した数字を厚労省が集計する。将来推計人口は○六年をピークに日本の総人口が減少に転じると予測している。


合計特殊出生率 15歳から49歳までの女性の年齢別出生率を合計した数値で、1人の女性が生涯に産む子供の数の平均を示す。人口動態統計に導入された1947年は4・54だった。60年代から70年代前半にかけて2前後で推移し、75年以降は2を割り込んだまま減少傾向が続いている。2・08前後を割ると、総人口が減少に向かうとされる。

(2005.6.1 共同通信)


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