住民のパト隊、続々誕生 広島市安佐北区 団地も自衛 8団体増 広島市安佐北区の住民が防犯パトロール隊を相次いで発足させ、今年だけで八団体に達した。昨年から不審者の出没事件が続くなど、住宅団地が多い地域でも子どもを守る機運が高まった。昨年までの結成を含め活動中は二十五団体、約千人となり、刑法犯の発生件数が減る効果も出ている。
三十日には区内の団地深川台で「子供の安全を見守る深川台有志の会」が発足。住民や保護者十七人が通学する子どもたちへの声掛けを始めた。宮本祐壮代表(68)は「地元の子どもたちは地元で守る、息の長い活動にしたい」と意気込む。 安佐北区では約十年前から自治会や防犯組合などが隊を組織してきた。昨年十一月、亀山南で小学生が連れ去られそうになり、四月には安佐北区や安佐南区の小学校に不審者が立て続けに侵入するなどの事件が発生。可部署生活安全課は「地域の防犯力が弱いとされる団地でも、住民の意識が向上してきた」という。 パトロール隊は小、中学生の登下校時に腕章やたすきを着け、通学路で警戒。可部署も不審者情報のファクスを送り、被害防止に努める。 同署管内で一〜四月の刑法犯の認知件数は三百六十七件。減らそう犯罪運動が始まった二〇〇二年の同期に比べ40・5%減で、広島県平均の36・7%を上回った。永井覚署長は「署の幹部も地域に出て連携し、継続的な活動にしたい」と強調する。 (2005.5.31)
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