中国新聞


総合学習 半数が評価
日本PTA全国協調査


 「自ら学ぶ」と好感

 中山成彬文部科学相が見直しを打ち出している総合的な学習の時間について、小中学生の保護者の約半数が肯定的にとらえ「知りたいことを進んで学ぶようになった」と評価していることが十七日、日本PTA全国協議会の調査で分かった。

 「削減して基礎教科に充てるべきだ」との批判もある総合学習だが、保護者の多くは一定の成果を感じ取っているようだ。一方、学校週五日制については40%近くが否定的だった。

 調査は昨年十月から十一月にかけ、PTA会員六千人を対象に実施。約五千人が回答した。

 総合学習の評価では「非常に良い」が8・1%、「まあ良い」が40・2%で、肯定的評価は計48・3%。逆に「まったく良くない」1・8%、「あまり良くない」8・6%で、否定的評価は計10・4%。「どちらともいえない」が38・6%だった。

 良い理由は「自分が知りたいことを進んで学んだりするようになった」30・3%、「子ども同士協力しあうようになった」23・6%の順。逆に心配に思う理由は「教師や学校の教育力の差が広がってきた」20・6%、「子どもの意欲や学力の差が広がってきた」19・4%など。

 同協議会の赤田英博会長は「総合学習のことを知っている人ほど評価する割合が高い。(導入から三年たって)ようやく定着してきたのではないか」と話している。

 また学校五日制については「まったく良くない」8・4%で、「あまり良くない」30・9%。「非常に良い」4・5%、「まあ良い」25・8%とする肯定的評価の約30%を上回った。

 約40%が「家族と過ごす時間が増えた」と評価する一方で、約30%は「子どもの学力が低下した」と懸念。学力低下問題が、五日制への否定的評価の背景にあることがあらためて浮き彫りになった。


総合的な学習の時間 自ら課題を見つけ、考え解決する力を育てるため、小中学校は2002年度、高校は03年度施行の学習指導要領で導入された。週3時間程度で、教科横断型の環境や福祉、英会話などのテーマ学習に取り組む学校が多い。教員の工夫次第で魅力的な授業になる半面、「学習目的が不明確で単なる遊びの時間になっている」との批判もある。

(2005.5.18 共同通信)


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