2004年度、広島県内 1350件 関心拡大4割増 広島県内の児童相談所に寄せられた二〇〇四年度の児童虐待の相談件数が、前年度から四割以上も増え過去最多の千三百五十件に上ったことが十二日、分かった。児童虐待に関する関心の高まりが、積極的な相談に結びついたとみられる。県は、七月に県内三カ所に開設するこども家庭センターを拠点に、相談体制の充実を図る。 県福祉保健部によると、三カ所の県児童相談所には前年度比で三百一件多い九百一件の相談があった。広島市児童相談所も百九件多い四百四十九件の相談を受けた。 虐待の内訳は、殴る、けるなどの身体的虐待が43・2%、食事を与えないなどのネグレクト(育児放棄)が35・7%で、合わせて八割近くに達する。虐待したのは、母が62・4%、父が24・1%、内縁の夫ら父以外の男性が4・5%だった。虐待を受けた子どもの年代は、小学生以下が84・1%を占める。 相談件数の急増について県は、全国的に虐待事件が多発し、この四月施行した改正児童虐待防止法・児童福祉法をめぐっても関心が高まったことが背景にある、と分析。「従来、相談を控えたようなケースでも届ける傾向が出ている」と児童支援室はみる。 相談をした人も、「近隣知人」が最多の二百三十二件。前年度は最も多かった「家族」を二十件上回り、虐待問題への関心の広がりを示す。 法改正によって本年度からは、政令市を除く市や町も児童虐待の相談を受け付けることになった。県は市町職員の実務研修などを通じ、相談業務の充実を図る。 また、児童相談所や婦人相談所などの機能を統合し、広島市南区、福山市、三次市に七月十一日に開設するこども家庭センターでは、人材育成や精神科医による専門的なケアを進める。 (2005.5.13)
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