中国新聞


中学に不登校担当教員配置
広島市教委、支援強める


 中学校入学後に不登校の生徒が増える傾向を受け、広島市教委は本年度、各中学校に不登校担当教員を置くなど支援体制を強めた。担当教員は校内での活動にとどまらず、連携が必要な児童相談所や地域団体との調整役も果たす。

 担当教員は学級担任と連携し、不登校生徒の状況を把握して学習計画の作成などに取り組む。校内の生徒指導主事、スクールカウンセラーとも協力して個々の生徒への対応を探るほか、場合によっては特定非営利活動法人(NPO法人)や民生・児童委員との連絡調整にあたる。

 市教委は既に、似島学園中(南区)、中高一貫校の安佐北中(安佐北区)の二校を除く五十九校に一人ずつ配置した。二十五日に合併した旧湯来町の湯来中、砂谷中にも担当教員を決めるよう働きかける。六月には研修会を開き、担当教員の役割について認識を深めてもらう。

 市教委の調べでは、二〇〇三年度の不登校児童・生徒数は小学六年生が百二人に対し、中学一年生は二百四十二人と大きく上回っている。この一年生の48%が小学校六年時に十五日以上欠席していることから、市教委は中学入学直後の目配りと小学校時代の状況把握が重要と判断。体制整備を急いでいた。

 市教委は今年三月末、有識者らでつくる検討会議の提言を受け、不登校早期支援システムの整備を決めた。小中連携による情報伝達や中学校内の支援チーム設置のほか、担当教員配置を重要施策に位置付けている。

(2005.4.27)


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