中国新聞


プール排水口
589校ふた固定せず
国公立3万校調査 手足吸い込む恐れ


 全国の国公立の小中高と高専、養護学校など約三万校のプールのうち、五百八十九校で排水口のふたが固定されておらず、児童や生徒が腕や足を吸い込まれておぼれる恐れがあることが二十日、日本体育施設協会(東京)の調査で分かった。

 協会によると、排水口に吸い込まれる事故は一九六六年以降、五十件以上発生して、少なくとも五十人が死亡している。

 調査は協会が学校プールの設置、使用状況の実態を把握するため、二〇〇三年から昨年にかけ、都道府県教育委員会などを通じて三万八千六百二十六校を対象に実施。排水口の事故対策は、プールを設置している三万二百三校が回答した。

 ほぼすべての学校のプールが水を循環させてろ過する方式で、子供たちが遊泳中も排水され、排水口には強い吸引力がある。このため文部科学省は安全対策として(1)排水口のふたの固定(2)排水管への吸い込み防止金具の設置―を指導してきた。

 しかし調査の結果、五百八十九校(2・0%)が排水口のふたを固定していないと回答。都道府県別では大阪府(六十七校)、兵庫県(四十六校)が多かった。また二百二十三校(同0・7%)が吸い込み防止金具を付けていないと答えた。

 中国地方五県で、排水口のふたを固定していないのは、広島十校、山口十六校、岡山二校、島根三校、鳥取六校。吸い込み防止金具を付けていないのは、広島二校、山口七校、島根三校、鳥取五校で、岡山は全校が付けていた。

(2005.4.21)


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