2004年度の広島県内 ■緊急対策が奏功 小学生万引は急増 少年犯罪の減少を目指し、県と県警、県教委が昨年度取り組んだ「少年犯罪防止緊急対策プロジェクト」の結果、昨年度の少年犯罪件数が前年度に比べ25%以上減り、目標に掲げた「一割減」を大幅に上回ったことが、十九日分かった。しかし、小学生の万引などが増えるなど、低年齢の犯罪の増加が課題として残った。
二〇〇四年度の少年犯罪の件数(推計値)は一万六千九百九十八件で、〇三年度の二万二千八百五十四件に比べ、五千八百五十六件、25・6%の減少。刑法犯の認知件数全体の減少幅19・0%を大きく上回った。昨年四月にスタートした同プロジェクトの「一年間で10%減」の目標も達成。県警などは「減らそう犯罪」県民運動との相乗効果も大きいとみる。 刑法犯で逮捕、補導、取り調べを受けた数も三千八百七十五人で前年度の四千百七十人に比べ二百九十五人、7・1%の減。しかし、小学生だけが二百三十四人で、前年度と同数になった。 さらに、同プロジェクトが「犯罪の入り口」として重点を置いた万引については、全体の補導、逮捕などの数は千四百二十三人と前年度から三十七人、2・5%の減少にとどまった。中学生2・9%、高校生とその他少年が6・6%といずれも減少しているが、小学生だけは20・3%増えた。対策を強化したために、逆に発覚するケースが増えた側面もあるというが、低年齢の犯罪が増える傾向がはっきりした。 プロジェクトは一年間で終了。本年度始まった子どもを犯罪被害から守るプロジェクトで引き続き広報を進めるほか、小学生などの対策を重点に、地域住民と県、県警、県教委が協力して取り組む。 (2005.4.20)
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